2009年 12月 03日
世界中のヘビの話を集めました。
ヘビは沖さんの夢にも、福島さんの夢にも出て来ました。
もちろん私の夢にも出てきます。
そこで、世界中のヘビのシンボルを調べました。
① 大地の母としてのヘビ。女性性。
大地に生きることから、地の神、水の神。
脱皮することから、死と再生。
地から宝石が取れることから、財宝。
② その形から、男性のシンボル。男性性。生殖。
③ 人間の生命エネルギー。
クンダリーニ。
古代インドで生まれた哲学です。
ムーラダーラ・チャクラに眠るクンダリーニは
シャクティーという名の女神です。
頭頂には男神のシバがいます。
目覚めたシャクティーは夫のシバに会うためにスシュムナ管を
昇って行きます。
この二人が合一した時、ひとは覚醒して、悟りを得ます。
④ ウロボロスと混沌
ウロボロスとは自分の尾を飲み込んで円を描いているヘビのことです。
原初のカオス(混沌)と永遠のシンボルです。
始まりも終わりもないもの。
⑤ 宇宙の真ん中のヘビ、世界ヘビ
北欧の世界創造神話の中にミズガルズという蛇が出てきます。
「ミズガルズ」とは「まん中のすむ所」を意味し、
世界の中心を表すそうです。
インド神話では、インドラ神が星占いをして、
「全宇宙を支える世界蛇の頭」がどこにあるのかを探ったそうです。
⑥ アスクレピオス。
ギリシャの医療の神。
この神は紀元前にペストが荒れ狂ったローマに
ヘビの姿で出現しました。
この神のおかげで、ペストの流行はやみ、
彼をたたえる神殿が建設されました。
患者がその神殿で眠ると、この神が夢の中に現れ、診断を告げました。
目覚めると、聖職者たちがその内容を解釈したそうです。
この神はひげをはやした男性で、左手に杖を持っています。
その杖には蛇が巻きついています。
現在では、病院や薬局などのシンボルマークとして、
木に二匹の蛇がらせんを描いたものがよく見受けられます。
蛇が薬草のある所を知っているという伝説はいたるところにあります。
⑦ 人間に知恵をもたらすヘビ
古代メキシコ・アステカの神はケツアルコアトルと言う名で、
「翼のあるヘビ」という意味です。
古代マヤ族の神はククルカンと言い、やはり「翼のあるヘビ」
という意味です。
これらの神々は暦、建築、天文学、農業、薬などの文明を
人々に教えてくれました。
海から来て海に去って行きました。
アダムとイブの話の中のヘビも有名です。
エデンの園で幸せに暮らしていた二人はヤハウエ神から、
「この木の実を食べたら死ぬので、けっして食べてはいけない。」と
言われていました。
ところが、蛇がイブに言いました。
「君たちが死ぬことは絶対ないよ。
神様は君たちがそれを食べると、君たちの眼がひらけ、神のようになり、
善でも、悪でも一切が分かるようになるのをご存知なだけのことさ。」
(『蛇の宇宙史』矢島文夫)
この件のせいで、ヘビは聖書の中では悪の象徴になりましたが、
見方を変えると、人間に知恵をもたらした役割を持っています。
⑧ 日本の神話のヘビ
『古事記』には野の神をカヤノヒメの神と言い、別名、
ノヅチ(ヘビ)の神と言います。
出雲大社では毎年イナサの浜で海へびを神様としてお迎えします。
ご神体は龍蛇神です。
この神社の神、大国主の命は医療や農業を伝えた神でもあります。
ヤマタノオロチは大河の化身です。
三輪山の神は麗しい男になって、人間の若いヒメのところに通いました。
などなど、日本でも女性、男性両方あり、
医療などと世界に通ずるものもあります。
⑨ 虹のヘビ
宮古島では、虹をティンパウと呼んで いたそうです。
ティンは「天」、パウは「ハブ」という意味で、
虹を「天の蛇」と見ていた事がわかります。
中国では、一本出た虹を「虹」と言い、二本出た虹は「蜺(げい)」と呼び、
雌雄の二匹の蛇が頭を下にして水を飲みにくる形を表しているそうです。
「虹の蛇」を夢にみた日本の女性がいます。
いったいこれは何かと尋ねて回り、オーストラリアのアボリジニーについて
書いた本にそれを見つけました。
カレルという名前で呼ばれていて、神話や儀礼のなかで
重要なはたらきをしています。
造物主であり、豊穣の神だそうです。
⑩ ヘビの子孫と称する王たち
古代インドのチュロ族は蛇の子孫と自ら称し、
マハラジャ(大王)の紋章はコブラです。
カンボジアのクメール族の初代の王はナーガ族(ヘビ族)の王の娘と
結婚しています。
ビルマではナーガ族の娘が卵を生み、その中から生まれた男の子が
王家の始祖となっています。
古代エジプトの王ファラオの紋章もコブラです。
⑪ 心の中に抑圧したもの
無意識の中に押し込めていて、まだ直面できていない感情です。
ざっと並べて見ましたが、「ヘビ」はこんなに多様性がありました。
カオスから宇宙、陰、陽、大地、水、男、女、生殖、豊穣、権力、知恵、
医療、悟り、などなど。
ヘビは神として、あるいは忌むものとして、人類の歴史や文化中に、
ありとあらゆる姿をとって現れていました。
これを見ていると、心は日常を離れて、
何か宇宙や人類の発生の根源的なものへと
思いが拡大していきませんか。
どうやら「ヘビの夢」は太初のエネルギーを持っているようです。
それにしても、ヘビの話が沢山、ありましたねえ。
これでも一部です。
ヘビの夢を見たら、とりあえず、このページから探してみてください。
どれか、あてはまるかもしれません。
では、ここで、山崎さんの夢に戻ってみましょう。
この夢は⑤の「宇宙の真ん中のヘビ」を思わせます。
古代の西欧に、このようなヘビが世界創造神話として語られていたのを
知る由もない女性が、この夢を見ました。
彼女は夢の中で時空を超えて、宇宙の始まりを見てきたのでしょうか。
夢のもつ摩訶不思議な力を見せられる思いです。
心の奥深くには世界に通ずるシンボルが存在します。
この夢はそれをよく教えてくれました。
それでは、次回はもうひとつのキーワード「マンダラ」について考察します。
次へ⇒
ヘビは沖さんの夢にも、福島さんの夢にも出て来ました。
もちろん私の夢にも出てきます。
そこで、世界中のヘビのシンボルを調べました。
① 大地の母としてのヘビ。女性性。
大地に生きることから、地の神、水の神。
脱皮することから、死と再生。
地から宝石が取れることから、財宝。
② その形から、男性のシンボル。男性性。生殖。
③ 人間の生命エネルギー。
クンダリーニ。
古代インドで生まれた哲学です。
ムーラダーラ・チャクラに眠るクンダリーニは
シャクティーという名の女神です。
頭頂には男神のシバがいます。
目覚めたシャクティーは夫のシバに会うためにスシュムナ管を
昇って行きます。
この二人が合一した時、ひとは覚醒して、悟りを得ます。
④ ウロボロスと混沌
ウロボロスとは自分の尾を飲み込んで円を描いているヘビのことです。
原初のカオス(混沌)と永遠のシンボルです。
始まりも終わりもないもの。
⑤ 宇宙の真ん中のヘビ、世界ヘビ
北欧の世界創造神話の中にミズガルズという蛇が出てきます。
「ミズガルズ」とは「まん中のすむ所」を意味し、
世界の中心を表すそうです。
インド神話では、インドラ神が星占いをして、
「全宇宙を支える世界蛇の頭」がどこにあるのかを探ったそうです。
⑥ アスクレピオス。
ギリシャの医療の神。
この神は紀元前にペストが荒れ狂ったローマに
ヘビの姿で出現しました。
この神のおかげで、ペストの流行はやみ、
彼をたたえる神殿が建設されました。
患者がその神殿で眠ると、この神が夢の中に現れ、診断を告げました。
目覚めると、聖職者たちがその内容を解釈したそうです。
この神はひげをはやした男性で、左手に杖を持っています。
その杖には蛇が巻きついています。
現在では、病院や薬局などのシンボルマークとして、
木に二匹の蛇がらせんを描いたものがよく見受けられます。
蛇が薬草のある所を知っているという伝説はいたるところにあります。
⑦ 人間に知恵をもたらすヘビ
古代メキシコ・アステカの神はケツアルコアトルと言う名で、
「翼のあるヘビ」という意味です。
古代マヤ族の神はククルカンと言い、やはり「翼のあるヘビ」
という意味です。
これらの神々は暦、建築、天文学、農業、薬などの文明を
人々に教えてくれました。
海から来て海に去って行きました。
アダムとイブの話の中のヘビも有名です。
エデンの園で幸せに暮らしていた二人はヤハウエ神から、
「この木の実を食べたら死ぬので、けっして食べてはいけない。」と
言われていました。
ところが、蛇がイブに言いました。
「君たちが死ぬことは絶対ないよ。
神様は君たちがそれを食べると、君たちの眼がひらけ、神のようになり、
善でも、悪でも一切が分かるようになるのをご存知なだけのことさ。」
(『蛇の宇宙史』矢島文夫)
この件のせいで、ヘビは聖書の中では悪の象徴になりましたが、
見方を変えると、人間に知恵をもたらした役割を持っています。
⑧ 日本の神話のヘビ
『古事記』には野の神をカヤノヒメの神と言い、別名、
ノヅチ(ヘビ)の神と言います。
出雲大社では毎年イナサの浜で海へびを神様としてお迎えします。
ご神体は龍蛇神です。
この神社の神、大国主の命は医療や農業を伝えた神でもあります。
ヤマタノオロチは大河の化身です。
三輪山の神は麗しい男になって、人間の若いヒメのところに通いました。
などなど、日本でも女性、男性両方あり、
医療などと世界に通ずるものもあります。
⑨ 虹のヘビ
宮古島では、虹をティンパウと呼んで いたそうです。
ティンは「天」、パウは「ハブ」という意味で、
虹を「天の蛇」と見ていた事がわかります。
中国では、一本出た虹を「虹」と言い、二本出た虹は「蜺(げい)」と呼び、
雌雄の二匹の蛇が頭を下にして水を飲みにくる形を表しているそうです。
「虹の蛇」を夢にみた日本の女性がいます。
いったいこれは何かと尋ねて回り、オーストラリアのアボリジニーについて
書いた本にそれを見つけました。
カレルという名前で呼ばれていて、神話や儀礼のなかで
重要なはたらきをしています。
造物主であり、豊穣の神だそうです。
⑩ ヘビの子孫と称する王たち
古代インドのチュロ族は蛇の子孫と自ら称し、
マハラジャ(大王)の紋章はコブラです。
カンボジアのクメール族の初代の王はナーガ族(ヘビ族)の王の娘と
結婚しています。
ビルマではナーガ族の娘が卵を生み、その中から生まれた男の子が
王家の始祖となっています。
古代エジプトの王ファラオの紋章もコブラです。
⑪ 心の中に抑圧したもの
無意識の中に押し込めていて、まだ直面できていない感情です。
ざっと並べて見ましたが、「ヘビ」はこんなに多様性がありました。
カオスから宇宙、陰、陽、大地、水、男、女、生殖、豊穣、権力、知恵、
医療、悟り、などなど。
ヘビは神として、あるいは忌むものとして、人類の歴史や文化中に、
ありとあらゆる姿をとって現れていました。
これを見ていると、心は日常を離れて、
何か宇宙や人類の発生の根源的なものへと
思いが拡大していきませんか。
どうやら「ヘビの夢」は太初のエネルギーを持っているようです。
それにしても、ヘビの話が沢山、ありましたねえ。
これでも一部です。
ヘビの夢を見たら、とりあえず、このページから探してみてください。
どれか、あてはまるかもしれません。
では、ここで、山崎さんの夢に戻ってみましょう。
沢山の星がキラキラと宇宙のようなところ。
ど真ん中からポッカリと一匹の蛇の頭がのぞいている夢をみました。
この夢は⑤の「宇宙の真ん中のヘビ」を思わせます。
古代の西欧に、このようなヘビが世界創造神話として語られていたのを
知る由もない女性が、この夢を見ました。
彼女は夢の中で時空を超えて、宇宙の始まりを見てきたのでしょうか。
夢のもつ摩訶不思議な力を見せられる思いです。
心の奥深くには世界に通ずるシンボルが存在します。
この夢はそれをよく教えてくれました。
それでは、次回はもうひとつのキーワード「マンダラ」について考察します。
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by yumemiryoku
| 2009-12-03 21:13
| 5話 蛇ってなあに?